そして約20年ぶりの2022年、
当時お世話になった方々や宮古島の風景との再会を果たしました。
当時の写真と、今年撮り下ろした写真を掲載した写真集『宮古島 アゲイン 再会』を4月に発表する中で、お世話になった宮古島に恩返しがしたいという気持ちが芽生えました。
「写真教育プロジェクト」を実施することで、この素晴らしい島の魅力を、宮古島の子どもたちに改めて気づいてもらいたいと考えています。
そんな子どもたちの中には、島外に出て進学し、やがて働くようになり、島外で生活をするようになる人もいます。そこで初めて宮古島の驚異的な美しさに気づくのです。
小学生のうちに、自分たちが生まれた島の豊かさやエネルギーをしっかりと認識しておくこと。自らのアイデンティティを知り、生まれ育った島に誇りを持つこと。
島の人、自然、伝統を小学生が自らカメラで撮影することによって、当たり前すぎて気づけなかった島の魅力を知る機会を作りたい。
そんな想いで、このプロジェクトを立ち上げました。
「しまちゃび」という離島苦を表す言葉がありますが、宮古島の子どもたちが進学で島を離れてしまったら、そのまま帰ってこない子どもたちもいることでしょう。
そんな子どもたちが小学生であるうちに、ふだん当たり前だと思っている島の美しさは特別であり、「素晴らしいところだ」と伝えられないかと思いました。
もともと、私にとって宮古島は、何のゆかりもない場所でした。
ところが船井幸雄さんに「宮古島へ行こう」と誘っていただいたことで、当時、沖縄のどこにあるかもわからなかった宮古島に行く、という選択をしたことから、私の人生が始まりました。
人生とは、選択の連続です。大切なのは才能より選択だと、つくづく思います。宮古島に生まれた子どもたちの人生も、その子たちの選択が作っていくとしたら、今回の「写真教育プロジェクト」を受けてもらい、その選択の思考方法を身に着けてもらいたいと思っています。離島に生まれ、離島で暮らし、その後島にとどまる人、島外に出て行く人。それぞれ色々あると思いますが、子どもたちに選択の余地を与えられる、そんなプロジェクトになればいいなと思っています。
2014年から現在も富山市の政策参与を務め、プロデュースしている富山市の「AMAZING TOYAMA 写真部」は2022年で8年目となります。
5年目となる郡山市の「郡山写真部」、3年目の金沢市「かなざわのわフォトプロジェクト」など、各地域で継続的な活動を行ってきました。
そんなシビックプライドを醸成するプロジェクトが発展する中で生まれたのが、小学生を対象とした「写真教育プロジェクト」です。
今回、宮古島の小学生を対象に実施を予定しています。みなさまの応援をお待ちしております。